結核は依然として世界的な公衆衛生上の重要課題であり、特に高有病率地域においては活動性結核(Active Tuberculosis、ATB)の早期診断が感染拡大防止に不可欠である。胸部X線検査はスクリーニングとして広く用いられているが、特異性に限界があり、精密検査としてCT検査が行われることも多い。しかし、放射線科医の不足や作業負荷により診断の遅延が生じやすい。中国の研究チームは、こうした課題を背景に、CT画像からATBを自動検出するAIシステムの実装可能性を検証し、その成果をScientific Reportsに発表した。
本研究では、中国の結核専門病院3施設から収集した1,741件の胸部CT画像を用いた後向き多施設検証を実施した。対象にはATB、肺炎、肺結節および正常例が含まれ、AIシステム(I-Sight v2.0)はU-Netに基づく病変検出および3D統合解析を用いて画像を評価した。学習に使用していない独立施設のデータによる外部検証の結果、ATBと正常肺の識別においてAUCが0.95を超える高い性能を示した。一方で、ATBと肺炎・肺結節との鑑別では精度がやや低下(AUC 0.76〜0.90)し、画像所見の重複による診断の難しさも浮き彫りになった。
研究チームは、このAIシステムを「一次読影者(First reader)」としてスクリーニングに用いるか、あるいは放射線科医の診断後に「二次読影者(Second reader)」としてダブルチェックに用いることで、診断精度の向上と業務効率化に貢献できると提案している。研究者らは「今後は、より代表的な集団を対象とした前向き試験や放射線科医の臨床ワークフローへの統合など、実運用下での有効性検証が必要である」と述べている。
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