Googleの研究チームは、胸部X線写真に基づく活動性肺結核の検出において「放射線科医と同等の識別性能」を示す深層学習システム(DLS)を開発し、その成果を公表した。研究論文は6日、Radiologyから公開されている。
研究チームは、1996~2020年に10ヶ国において撮影された胸部X線写真を用い、このDLSを構築した。汎化性能を高めるため、Attention PoolingやNoisy Studentを取り入れたことが特徴。後者は弱教師付き学習であるself-trainingにおいて,学習時にノイズを適切に付与することで、精度や出力の頑健性を向上させようとするもの。DLSの識別性能は検証に参加した放射線科医に劣らず、シミュレーションでは、DLSを使用することにより結核陽性患者の検出コストを40~80%削減することができた。
著者らは「放射線科医のリソースが限られている地域において、このシステムが有効な結核スクリーニングを導く可能性」を指摘するとともに、臨床現場への導入のためには、さらなる研究と臨床的検証が必要であるとしている。
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