早産児は自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder; ASD)発症のリスクが高いことが報告されている。通常、生後18〜24か月頃にBayley乳幼児発達尺度(Bayley Scales of Infant and Toddler Development; BSID)による神経発達評価を受けるが、本ツールは早産児におけるASDの感度が十分でないことが指摘されている。台湾の研究チームは早産児の発達経過に着目し、機械学習を用いてASDリスクの早期識別を目的とした解析を実施し、その成果をMolecular Autismに報告した。
本研究は、2011年から2018年にかけて出生した32週未満の早産児583名を対象とした。BSIDのデータを用いて、生後6か月、12か月、24か月時点の発達状況を評価し、5歳時にASDの診断を行った。局所加重散布図平滑化法(Locally Estimated Scatterplot Smoothing; LOESS)により各発達領域の特徴量を抽出し、サポートベクターマシン(Support Vector Machine; SVM)を含む6種類の機械学習モデルを構築した。その結果、ASDと診断された児では、認知機能および受容・表出コミュニケーション能力、微細運動機能において生後2年まで一貫した発達遅延が認められた。SVMモデルは正答率71.8%、AUC 0.69を示し、特に陰性予測値が93.6%と高く、低リスク群の識別に優れていた。
本モデルは、ASD予測に特化した初の機械学習予測モデルであり、発達の経時的変化という動的指標を導入している点が特徴である。研究者らは「実臨床においては、このモデルを診断のみならず、発達フォローアップの頻度を決定するツールとして活用できる可能性がある」と述べている。
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