医療画像領域でのAI活用の拡大を示す新たな調査結果が出された。米国で医療データ解析を行うDefinitive Healthcare社は毎年恒例としているAI市場のレポートで、米国拠点の病院および画像センターでのAI採用率・使用領域・課題などについて報告している。調査は2019年10月から12月にかけて実施された。
医療メディアHealthITAnalyticsではレポートについて報じており、画像センター34.7%・病院31.9%と約3分の1の施設がAIテクノロジーを使用していると回答していた。現在AIを利用していない施設のうち画像センター34.0%・病院28.3%で今後2年以内の実装計画があるという。AIの使用領域は利用施設のほぼ全体92.6%において画像診断および病変の検出での利用となっている。それに次ぐ利用領域は業務プロセスとワークフローの改善で、利用施設の26.5%であった。AIを採用していない施設での障壁として、コストが54.7%・利用戦略方向性の欠如が35.3%・技術的専門性の欠如が33.1%・ITインフラの欠如が31.7%で続いた。
調査担当者は「医療画像領域でのAI利用では、患者ケアと業務改善の両方の価値が考えられています。現状の回答施設では患者ケアの強化に大きなメリットが感じられているようです。AIテクノロジーを最適に活用する方法の理解不足と関連コスト・労力が不十分なため、利用したい領域と実際に利用されている状況とのギャップが生じている可能性が高いです」と語っている。