AIが放射線治療導入を最適化させる

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テキサス大学サウスウェスタン・メディカルセンターの研究チームは、ディープラーニングモデルによって、放射線治療開始への初期プロセスを高速化することに成功した。研究成果は学術ジャーナルMedical Physicsに掲載されている。

Medical Xpressの報道によると、研究チームが開発したAIモデルでは、放射線治療開始にあたって決定すべき「照射線量」などの詳細な治療計画を、迅速に策定することができるという。このAIモデルは70名の前立腺がん患者の臨床データに基づき、チームが従来利用していた2つのモデル ー「精度には欠けるがシンプルで高速なモデル」と「より正確ではあるが長時間の解析を要するモデル」ー から両者の違いを学習することで、1秒以内に高い精度を保った計算結果(適切な照射線量)を生成できるようになったとしている。

明確に早期の治療介入が奏功するケースであっても、医師の手による治療計画策定には一定の時間を要する。研究を率いたSteve Jiang博士は「患者の予後を考えれば、リアルタイムでの最適な治療計画策定には大きな意味がある」とし、AIの潜在的有用性を強く訴えている。

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TOKYO analytica
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1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcherを経て東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。