医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例VerilyのStudy Watch - 不整脈を検出する腕時計型ウェアラブルデバイス

VerilyのStudy Watch – 不整脈を検出する腕時計型ウェアラブルデバイス

Alphabet傘下でGoogleの姉妹会社にVerilyという企業があるのをご存知だろうか?Verilyは2017年から不整脈検出のための腕時計型ウェアラブルデバイス「Study Watch」を臨床研究用に使用してきた。2020年1月、VerilyはStudy Watchが不整脈検出機能に関してFDA認証をクリアしたことを発表した。

Google関連のニュースサイト9to5Googleは、今回のFDA認証について紹介している。この発表はVerily Study Watchが心房細動を代表とした不整脈を検出できる医療用検査機器として認証されたことを意味する。つまり臨床研究の枠組みから実際の臨床現場へデバイスの適用範囲を拡大したともいえる。

昨年末、GoogleがFitbitを買収してウェアラブルデバイスに再挑戦する意志を示したことは大きなニュースとなった(過去記事参照)。その一方で、以前からAlphabet傘下にVerily Study Watchのようなデバイスがあったことは意外に知られていなかったかもしれない。

Verily Study Watchが同様の不整脈検出機能をもつApple Watchと大きく異なる点は、一般ユーザー向けに市販されるのではなく医師が患者に必要な検査の一環としてその使用をオーダーする点にある。またVerilyは不整脈をモニタリングする胸部用パッチを製品化しているiRhythm社との提携も行っている。両社ともに臨床現場で実際のワークフローに組み込まれる道を模索しているところであり、今後の動きに注目したい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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