歯科X線画像へのAI応用については、虫歯・歯根破折などを検出する試みが行われてきた。これまで利用が限定的であった「AIによって歯周病をX線画像から検出する」新たな研究が、トルコのエスキシェヒル・オスマンガジ大学のチームから発表されている。
欧州歯周病学会(EFP)が主催する国際学会「EuroPerio10」で発表された同研究では、バイトウィング法で撮像されたX線画像から、歯周病の検出を行う深層学習アルゴリズムを構築した。歯周病患者から取得した434枚のX線画像によってトレーニングされた畳み込みニューラルネットワークは、歯周病に特徴的な所見として歯槽骨量減少・歯根端部欠損・歯石などを特定することができており、感度と精度の調和平均「F1スコア」は、全歯槽骨量減少で0.96、歯根端部欠損で0.66、歯石で0.82を達成した。
著者でエスキシェヒル・オスマンガジ大学のBurak Yavuz氏は「本研究は、他の手法では見逃し得る歯周病について、AIで自動検出できる可能性を示している。X線画像評価の繰り返しを避けることで放射線被曝を低減するとともに、歯周病の静かな進行を防ぎ、より早期の治療介入が可能になるだろう」と語った。
関連記事: