JAMA Network Openにこのほど掲載された研究では、ウェアラブルデバイスからの日常的な生体データから、子どもの注意欠陥・多動性障害(ADHD)と睡眠障害の予測を行う機械学習モデルを構築している。米疾病予防管理センター(CDC)によると、ADHDは小児期の最も一般的な神経発達障害の1つで、米国では3歳から17歳までに600万人が罹患しているという。
研究チームは、性別や身体計測値などの基本情報の他、ウェアラブルデバイスから得られる心拍数や歩数、睡眠レベル、カロリー、代謝当量などのデータを利用し、6,000人を超える参加者からサーカディアンリズムに基づく特徴を生成した。構築した機械学習モデルはADHDおよび睡眠障害に対して妥当な予測性能を示し、「ウェアラブルデバイスからのデジタル表現型を用い、ADHDと睡眠問題の早期発見のための、機械学習ベース予測モデルの可能性が示された」と結論付けている。
ADHDは性格傾向として見逃され、適切な診断と介入に至らないケースも多い。日常的データからそのリスクを抽出する新しいスクリーニングアプローチは、早期の医療アクセスを実現し、児の長期予後を改善する可能性がある。
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