睡眠障害は、各種慢性疾患の罹患率や死亡率を高める要因として認識されているものの、睡眠障害自体の危険因子候補は多岐に渡り、互いに影響を及ぼすとともに、多くの交絡因子が入り乱れるために検証が容易ではない。米ノースウェスタン大学医学部の研究チームは、「睡眠障害のリスク要因を正確に特定する機械学習手法」の開発と評価に取り組む。
PLOS ONEに発表された同研究では、米国国民健康・栄養調査(NHANES)から、18歳以上の米国成人7,000人以上の患者データを用い、4種の機械学習モデルを用いて680以上の変数から睡眠障害の強い予測因子を特定した。その結果、予測力の高い因子として、1.うつ病調査票(PHQ-9)、2.体重、3.年齢、4.ウエスト周囲径が示されている。
うつ病が睡眠障害の最も強い予測因子であったことや、その他の上位因子も先行研究と一致しており、研究チームは「睡眠障害リスク評価における機械学習モデル活用の有効性」を示したとする。「本研究が採用した手法の最大の強みは、バイアスによって混乱する可能性がある研究者の個人的判断に頼ることなく、何百もの共変量を系統的に調査できることだ」としている。
参照論文:
Use of machine learning to identify risk factors for insomnia
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