Google ResearchとGoogle DeepMind のAI研究者チームは、医療面接を行うための「AIベース診断対話システム」を開発している。初期の研究成果がこのほど、arXivにプレプリント論文として公開された。特徴となるのは、自動フィードバック機構による「反復的な自己改善プロセス」を有していることとなる。
Articulate Medical Intelligence Explorer(AMIE)は、診断対話に最適化された会話型医療AIである。研究論文によると、様々な医療コンテキストや専門分野に渡ってAMIEの機能を拡張するため、自動フィードバック機構を備えたセルフプレイベースの模擬対話環境を設計した。具体的には、この反復的な自己改善プロセスは、次の2つの自己再生ループで構成される。1. AMIEがコンテキスト内の批判者フィードバックを活用し、AI患者エージェントとの模擬会話での動作を改善する「内側」の自己再生ループ、2. 改善された模擬対話のセットを後続の微調整反復に組み込む「外側」の自己再生ループ。オンラインでの推論の間、AMIEは推論の連鎖戦略を使用し、現在の会話を条件として応答を徐々に洗練させ、各対話ターンにおいて患者に対する正確で根拠のある返答を導き出すことができる。
盲検化試験において、AMIEはプライマリケア医を上回る高評価を確認している。Googleは、AMIEが「純粋に実験的なものであること」を指摘しているが、将来的な臨床利用を見据え、さらなる実環境での検証と性能向上に取り組む。
参照論文(プレプリント):
Towards Conversational Diagnostic AI
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