AIを利用した創薬を行うOWKIN社は、AIを基盤にして医療施設を結ぶネットワークを作ると発表した。このネットワークは、アメリカとヨーロッパにある合計44もの病院や研究施設、すなわち数百人の医者や研究者をつなぐもので、集められたビッグデータをAIでまとめて知識を共有することが可能になるという。
GlobeNewswireによると、OWKIN社はAIの機械学習を利用して創薬・医療に関する研究を行うスタートアップで、今回の計画もそうした研究を促進するためのものであるという。この計画は、製薬企業や研究施設と医療施設をつなげることで、ガン・心臓疾患・神経疾患・自己免疫疾患の研究環境を向上させるのが目的だという。具体的には、患者に関する大量のデータを共有することで、ある特定の薬物の組み合わせが人体にどのような影響を及ぼすのかなどを、研究室での予測の枠を超えて実証することが可能になる。また、病院間でデータを共有することで、ほかの病院の医療データを参考にして、治療に生かすこともできる。
MedCity Newsによると、OWKIN社のCEOであるThomas Clozel氏は、この計画によって医療データが創薬に生かされることで、製薬企業はこれまでより新薬を臨床現場に応用しやすくなるだろうと述べ、これは創薬研究のまったく新しい方法だと自信を示しているという。