AI技術の発展によって大量のデータを一度に処理することが容易になった現在、患者一人一人に最適な医薬品を製造することは現実的な治療法になりうるのだろうか。製薬関連のニュースを発信しているOutsourcing-pharmaは、AI医療の研究を行うGNS Healthcare社のCEOにインタビューを行った。
Outsourcing-pharmaによると、GNS Healthcare社のCEOであるColin Hill氏は、AIが創薬に導入されることによって化合物の効果や副作用をある程度予測できるようになったのは非常に大きな進歩だと述べた。しかし、現状ではAIは完全ではないため、AIのみで創薬を完結させることは難しいという。すなわち、AIの予測はあくまでも予測であるため、人の体内における薬の動きは実験でしか調べることができないのである。そのため、現状ではそれぞれの患者に適した薬を合成することはまだまだ先のことになりそうだと考えられている。一方、もしそのような薬が作れるようになれば、患者に対する無駄な治療を減らすことができるため、経済的にも身体的にも患者の負担を減らすことが可能になるという。
Colin Hill氏が所属するGNS Healthcare社は、AIで適切な薬を開発することをモットーに研究を行っており、個人に最適化された薬の合成は、このモットーの究極系であると言えるだろう。同様の研究はほかの製薬会社でも活発化してきており、今後の発展に期待が高まっている。