早産児にとって初期の栄養と腸環境の健康維持は、NICUでの転帰改善に重要な役割を果たす。米スタートアップAstarte Medicalが開発中のプラットフォームNICUtritionは、AIによる早産児の腸環境解析などから栄養プロトコルの合理化と自動化を目指している。
Technical.lyによると、基幹製品NICUtritionの開発完了に向け、同社はシリーズAラウンドとして500万ドルの資金を調達したという。同社のCEOであるTracy Warren氏は「この資金調達により早産児の成長率向上や感染リスクの最小化など、NICUでのニーズを満たす一連のソリューションを完成させることができる」と語った。
学術誌Journal of Parenteral and Enteral Nutritionに収載の論文によると、NICUの2000g未満の低出生体重児では、摂食ガイドラインに準拠することで転帰が安定すると報告されている。しかし、NICUでの複雑な栄養プロトコルを手作業で厳密に遵守することはかなりの労力を必要とする。将来を担う世代の健康向上のみならず、臨床現場の負担軽減と医療費削減のためにも、更なる技術開発が待望される。