先週、米国カリフォルニア州で開催された年次開発者向け会議(Google I/O)で、Googleが「超早期肺がんをCTから識別するAIアルゴリズム」を開発したことを公表した。このアルゴリズムにより、放射線科専門医による読影でも見逃されがちな微小変化を、がん病変として正確に捉えることができる。
英The Telegraphの報道によると、これはGoogleのAIチームと、Alphabet傘下のライフサイエンス部門・Verilyとの共同研究成果であるという。放射線科医の6人に5人が見落とす早期変化を捉え、通常診断の1年前でのがん識別を実現するとのこと。Googleのリサーチャー・Lily Peng氏は「1年もの早期発見により、生存率は40%程度も向上し得る」とインパクトの大きさを強調する。
肺がんの早期変化を適切に捉えることは難しく、読影を行う放射線科医の技量差も少なくない。アルゴリズムの診断精度が多面的に検証され有効性が確認されれば、画期的な医療ブレイクスルーとなる可能性がある。The MassDeviceによると、この研究成果は学術誌・Nature Medicineにて公開予定とのこと。