Googleを中心とした研究チームは、低線量CT画像から高精度に肺がんを識別できるAIアルゴリズムを開発し、学術誌・Nature Medicineにて発表した。同誌は医学界で最も権威ある学術誌のひとつで、公表論文は公開直後から多くのアクセスを集めている。
先週Nature Medicineで公開されたレター論文によると、研究チームは、より放射線被曝の少ない低線量CT画像を利用し、過去と現在の胸部画像から肺がんを識別する機械学習モデルを構築したという。AUC94%と高い精度を示すとともに、検証に参加した6名の放射線科専門医の診断精度をも上回っていたとのこと。
米国において肺がんは、臓器別がん死亡で最も頻度が高い。低線量CTによる肺がんスクリーニングは、その高い有効性から米国での主要ガイドラインにも取り込まれている。一方、早期の微細変化を正確に捉えることは容易でなく、AIによる肺がんスクリーニングの補助・オートメーション化への期待は大きかった。