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米ジョンズ・ホプキンズ大学 – AIで化学物質の毒性に関する動物実験を削減

数ある化学物質の毒性を調べるために繰り返される動物実験は、莫大な犠牲と費用を伴う。極端な例を挙げると、ひとつの農薬が市場に出るまで5年間で総額2000万ドル規模、10000匹を超えるマウス・ラット・ウサギ・イヌが消費され、基準の低い工業用化学物質ひとつでも500万ドル規模が消費されるとの試算がある。

カナダの科学誌 The Schientistの報道によると、米ジョンズ・ホプキンズ大学の動物実験代替法センター(Center for Alternatives to Animal Testing: CAAT)は化学物質の毒性を高精度に予測するAIアルゴリズムで動物実験を劇的に削減している。1000万種類以上の化学構造に解析範囲は拡大され、毒性の類似点・相違点をAmazonクラウドサーバー上でマッピングしている。過去の動物実験、19万種の化学物質に適応させると、70%で動物実験の精度を超えた結果が得られたという。

アルゴリズムは過度な動物実験の抑制のみならず、規制から逸脱した物質を生成前に警告できる可能性を持つ。化学構造と毒性が直結するなど条件に制約と課題が指摘されているが、基礎の細胞実験を積み重ね、スーパーコンピューターの計算能力が身近で手ごろな価格になれば、多くの動物実験が不要となる将来も期待される。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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