薬物関連死を減らすイノベーション・チャレンジ

英国政府のOffice for Life Sciencesは、「薬物関連死を減らすイノベーション・チャレンジ」の一環として、潜在的な薬物関連死の検出、対応、介入を改善することを目的とした技術開発を手掛ける12の有望なプロジェクトに対し、総額500万ポンド(約9.2億円)を投資したことを明らかにした

公表によるとプロジェクトでは、AIやその他の革新的なテクノロジーによって薬物の過剰摂取を検知し、医療従事者や家族、地域コミュニティに警告を発し、薬物使用者に緊急の救命支援を提供する方法を検討する。具体的には、過剰摂取を検知するAI技術から、緊急警告システム、ドローン技術を利用した緊急時の解毒剤配送システム、介入の必要性を警告するスマートウォッチや呼吸モニターなどのウェアラブル技術まで、多岐に渡る。

薬物の不適切使用による影響は非常に大きく、英国では社会問題化しており、実際同国では毎年4,000人以上が回避可能な薬物の過剰摂取で死亡している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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