顎変形症など、上下の噛み合わせが著しくずれている場合、歯列矯正術単独での改善は難しく、外科的顎矯正術の適応となることがある。ソウル国立大学の研究チームは、このような外科的治療の必要性を判断するAIアルゴリズムの開発に取り組んでいる。
学術誌The Journal of Craniofacial Surgeryに掲載されたチームの論文によると、160名の外科的顎矯正術を受けた患者と、156名の非外科的治療を受けた患者のデータを利用したという。ニューラルネットワークは、レントゲン画像所見など18の指標から外科的治療の必要性を識別する。最適モデルにおいては96%の正確性を持って、医師による実際の決定を支持したとのこと。
AIアルゴリズムによる治療方針策定は、原理的に無数の患者情報を取り込んだ判断さえ可能となるため、従来の判断基準を凌駕する治療予後を示すものを構築できる可能性がある。ただし、前向き研究を含めた精緻な検証が欠かせないことは言うまでもなく、その道のりは決して短くない。