日本の理化学研究所のAIが、前立腺がんの病理診断で確立されてきた基準Gleason score(グリソンスコア)を超える再発予測精度を達成したことを、12月18日付で英学術誌Nature Communicationsに発表した。
Medical Xpressでは、理化学研究所の革新知能統合研究センター(AIP)が開発したAIについて報じている。前立腺がんの病理画像に「教師なし学習」のアプローチを採用したディープラーニングで、従来の基準グリソンスコア(AUC=0.744)を超える再発予測パフォーマンス(AUC=0.820)を達成した。同AIとグリソンスコア両方を組み合わせることで前立腺がんの再発予測はさらに正確になった(AUC=0.842)。
同研究は、人間の目では特定できなかったがんの特徴をAIが注釈なしで学習できることを示すひとつの成果であり、これからの医療AIの確かな方向性となるだろう。前立腺がんの再発を予測する病理学的評価にAIを導入する研究は米マウントサイナイ病院からも発表されている(過去記事)。