中国企業によるコロナウイルス対策には、ロボットの利用も促進されている。いわゆるヒト-ヒト感染拡大が危惧され、医療従事者の感染リスクが注目されるなか、無人のロボット・AIアシスタントはひとつの対抗策と考えられている。
中国共産党傘下のメディアChina Dailyの報道では、中国企業が展開している先端技術を紹介している。上海を拠点とするTMiRob Co Ltdは武漢の6つの病院・上海と温州の病院に自走式ロボットを納入し24時間体制で稼働させている。主に消毒作業をロボットに行わせることで、医療従事者の環境への曝露を最小限に抑えている。同様に上海のLingzhi Technology Co Ltdも自走式消毒用ロボットを武漢と上海の病院で臨床応用し始めている。上海のUdesk Co LtdのAIアシスタントシステムは5分間で200件の医療相談電話に応答可能で、相談者の症状と連絡先などのデータを収集・分類・解析している。
様々な企業によって開発されてきた技術は、今回のコロナウイルス感染拡大をきっかけとして本格的な実用化とさらなる発展をみせるかもしれない。ある意味では、有事で飛躍的に発展する軍事技術と似た側面を有する。流行フェーズが過ぎた時、真に実用に耐えうる技術を評価して騒動を振り返る時期がくるだろう。