新型コロナウイルスの活動が、夏場に衰退し秋から冬に再燃するという仮説に対して、米国ローレンス・バークレー研究所は新しい研究プロジェクトを立ち上げている。今回のウイルスが、インフルエンザと同様に季節性をもつのかが大きな注目点となる。
バークレー研究所のニュースリリースによると、研究チームは、気候モデルと関連するデータセットに機械学習を適用し、COVID-19の季節性を予測するプロジェクトを始めている。環境要因を社会的・健康的要因から切り分けて疾患との関わりを紐解くには、多くの交絡する変数と変数間の相互作用が存在するため、シンプルな関連の抽出は容易ではない。これまでバークレー研究所は気候情報をダウンスケーリングして農業などの課題に取り組んできており、そのノウハウを活かした形となる。
バークレー研究所の気候・生態系科学部門のEoin Brodie氏は「気候が大きな支配的影響を与えているとは必ずしも考えていません。しかし、本当に重要な関連があるいは見つかるかもしれません。今回のプロジェクトはAIの真髄に迫る課題です」と語る。チームは夏の終わりから初秋までに分析の第一段階を終え、その知見を利用できるようにしたいと考える。一例としては子どもたちが登校を再開するシナリオなどで、公衆衛生上の意思決定に役立つことが期待されている。