米ニューヨークに本拠を置くマウントサイナイヘルスシステムの研究チームは、医療画像や曝露歴、患者背景などの複合情報から高精度にCOVID-19陽性を識別するAIアルゴリズムを開発した。研究成果は学術誌Nature Medicineにて、先週公開された。
チームの研究論文によると、PCR検査施行済みである905名(うち、陽性は419名)のデータベースを利用し、胸部CT画像・臨床症状・濃厚接触などの曝露歴・他の検査結果などの複合情報からCOVID-19陽性を識別するAIアルゴリズムを構築したという。279名からなるテストセットでの検証では、AUCで0.92と高い識別精度を示し、感度については熟練の放射線科医と同程度の水準であった。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療画像からの診断補助AI開発が急速に進んだが、単純レントゲンはもとより、より解像度の高いCTであっても画像単独での識別能力には限界があった。より高精度で実用的な診断補助AIを構築するには、周辺情報を複合させるアプローチを取ることが現実的であり、本研究ではこの事実を明確に示した形となる。