医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例AIによる高齢者施設のCOVID-19対策 - カナダ「AiCoV19」プロジェクト

AIによる高齢者施設のCOVID-19対策 – カナダ「AiCoV19」プロジェクト

ハイリスク者を多く抱える高齢者施設において、COVID-19関連死は切迫した問題となっている。そのような施設において感染が疑われる症例を早期に特定することは重要なニーズとなる。

マギル大学のニュースによると、同大学の研究チームを中心としてカナダ国内で展開する「AiCoV19」プロジェクトでは、高齢者施設を対象としてAIと医療機器を組み合わせたCOVID-19の追跡・監視・予測に関する多施設共同研究を行っているという。発熱や息切れといった症状の急激な変化がみられた際、医療者に対してリアルタイムでの警告を発し対策を講じられるようにする。同プロジェクトはロシュ・カナダが資金提供する「COVID-19オープンイノベーションチャレンジ」に選出された11のプロジェクトのひとつである。

当初ケベック州とオンタリオ州の高齢者長期療養施設でプロジェクトは展開される。これら二つの州ではCOVID-19関連死が介護施設に圧倒的な集中をみせており、ケベック州では死者の80%以上、オンタリオ州では70%以上との報告がある。このような状況を技術によって打開することができるか、プロジェクトの進捗は大きな期待をもって見守られている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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