マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ発のスタートアップ Empaticaが開発した、スマートウォッチによるてんかん発作監視技術を以前に紹介した(過去記事)。同社のスマートリストバンド「E4」は皮膚末梢温度・心拍数・呼吸数などのリアルタイム情報を解析し、臨床症状が現れる前であってもCOVID-19感染パターンを特定する検証研究へ応用範囲を広げている。
Empaticaのニュースリリースによると、同社のCOVID-19早期発見システム「Aura」について、米国保健福祉省の生物医学先端研究開発局(BARDA: Biomedical Advanced Research and Development Authority)と検証研究での協力を発表した。医療従事者を観察対象としたシステムによるモニタリング結果を、日々行われているPCRのようなスワブ検査結果と比較しながら、アルゴリズムの検証と精度強化を行う。
システムはFDA承認を目標としており、医療製品として市民が通常生活に戻る手助けとなることを期待している。呼吸器感染リスクが高いかどうか毎日通知され、自宅で安静にしたり、人との接触を避けたりする判断を補助する役割を果たす。新型コロナウイルス感染の35%が無症状であるという米CDCの推計もあり、無症候感染者の早期発見はひとつの公衆衛生対策として鍵を握るだろう。