米ニューヨーク大学とFacebookのAI研究者の共同研究として行われてきた、MRIスキャンを高速化するプロジェクト「fastMRI」について以前にも紹介した(過去記事)。同研究の検証結果がAmerican Journal of Roentgenologyに発表されている。
ニューヨーク大学ランゴーン医療センターのニュースリリースでは同研究について紹介している。fastMRIでは、膝のMRI画像について訓練されたAIモデルによって、従来のMRIスキャンに比べてデータ量が4分の1で済み、画像化が迅速となった。108名の患者で標準撮影と高速撮影を比較したところ、放射線科医6名の間で検証した所見の不一致は4%以下であった。バイアスを制限するため2群間の読影は盲検で少なくとも1ヶ月以上の間隔をおいている。また6名の読影医全員から、再構成された高速撮影画像の方が高品質であるとの判断がなされた。
研究グループは、AIが再構成した画像が標準的なMRI画像と本質的に見分けがつかず、診断精度について互換性が示されたと主張する。執筆責任者のMichael P. Recht氏は「AIで加速されたMRIスキャンの臨床利用に向けた重要なステップとなります。撮影に際する患者の体験は改善され、画像生成法にエキサイティングなパラダイムシフトがもたらされます」と語った。他の研究者によるfastMRIのデータとコードの利用を促進するため、プロジェクトはオープンソースとされている。