医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例空間監視モニター「ECHO」- 日本の浴室の安全も守る

空間監視モニター「ECHO」- 日本の浴室の安全も守る

高齢者や患者を見守る技術「リモートセンシング」について以前に紹介した(過去記事)。カメラベースではない遠隔監視センサーは、プライバシー面への配慮も注目される。イスラエル発のEchoCareTechnologies社はレーダーと機械学習をベースにしたクラウド接続型の空間監視モニター「ECHO」を開発している。

ISRAEL21cでは、ECHOについて報じている。天井や壁に設置されたECHOユニット1台あたり、高齢者施設として標準的な広さのアパートの中で1人(次期バージョンでは2人)を監視することができる。レーダーは壁を透過し、空間内での転倒・呼吸困難・浴室での溺水などを検知する。人の位置・姿勢・動作・呼吸を持続的に分析し、健康状態悪化の可能性に警告を発する。現在イスラエル国内ではCOVID-19病床にも設置され、病棟スタッフの感染リスクと負担の軽減に寄与している。家庭用と病院用で設計は変えられ、1ユニットあたりの目標価格は500ドルという。

ECHOは日本においても、2019年の機器承認以降、電子機器メーカーのSMKと協力し試験を進めている。日本で年間約17,000件起きるという浴室での死亡事故に対し、特に浴室環境での試験に重点を置いた。金属の壁と強い水音に囲まれた日本の浴室内の過酷な環境でもECHOは機能の要件を満たしているという。EchoCareTechnologiesの共同創設者でCEOのRaif Zack氏は「日本は世界で最も高齢化が進んだ国で、外国人介護者の需要が低く、エイジング・テックの世界的なベータテストの場となっています」と語っている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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