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リアルタイムデータトラッキングが明らかにするオピオイド過剰摂取

米ミシガン大学の研究チームは、リアルタイムデータモニタリングシステムを活用し、COVID-19のパンデミック以来、オピオイド過剰摂取の疑いのある死亡が15%増加していることを明らかにした。

オピオイド過剰摂取サーベイランス(SOS)と名付けられたこのモニタリングシステムは、ミシガン大学が中心となって構築したウェブベースのツールで、リアルタイムモニタリングとそれに伴うデータ解析を可能としている。SOSは2水準でのアクセスを提供しており、郡レベルでのサマリーが制限なく公開される第一水準と、オピオイド過剰摂取をリアルタイムマッピングし、詳細な情報を公衆衛生当局や公安ユーザーに向けて提供する第二水準となる。ユーザーはデータソースとともに、過剰摂取の疑いのあるケースを地理的・時間的側面から的確に補足することができる。

このほどミシガン大学が明らかにしたSOSに基づくレポートによると、オピオイド過剰摂取による死亡例が増加していることに併せ、オピオイド拮抗薬であるナロキソンの使用も29%増加しており、COVID-19の拡大に伴う深刻な行動変化を指摘する。研究チームは、政策立案者などに対してよりハイリスクな人々を捉えたマイクロターゲットの設定と、効果的な政策介入の必要性を訴えている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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