皮膚がんのひとつメラノーマによって米国では年間6,800人ほどの患者が亡くなっている。転移し進行したメラノーマの治療として「免疫チェックポイント阻害剤」が広まってきたが、どの腫瘍が治療に反応するか、正確な予測は一般化に至っていない。ニューヨークのランゴーン医療センターを中心に行われた研究「進行性メラノーマの免疫療法における機械学習アルゴリズムを用いた治療反応予測」が学術誌 Clinical Cancer Researchに発表されている。
ランゴーン医療センターのプレスリリースによると、同病院などで免疫チェックポイント阻害剤治療を受けた転移性メラノーマ患者121名から採取された302枚の組織標本によって、病勢進行のリスクが高いか低いかを分類するアルゴリズムが構築された。その検証結果ではAUC0.8前後が達成され、5例中4例で進行性メラノーマの免疫療法に対する治療反応が予測できる見込みとなった。
同研究は比較的画像の枚数が少ないという限界があり、さらに多くのデータを収集し精度を高めることが期待されている。ランゴーン医療センターのDr. Osmanは「現在の精度でも治療前に詳細な検査を受けるべき患者のスクリーニングには使用可能だが、臨床利用のために90%程度まで精度を高められるよう準備したい」とする。