季節性インフルエンザ感染症およびCOVID-19は、臨床経過と転機が互いに異なる一方で、理学所見や一般検査から適切に診断し分けることは容易ではない。米ウェストバージニア大学とカーネギーメロン大学などの研究チームは、バイタルサインから両者を識別する機械学習アルゴリズムを開発した。
ヘルスサイエンス領域のプレプリントサーバーであるmedRxivで公開された研究論文によると、季節性インフルエンザ感染症またはCOVID-19の確定診断を受けた者を含む入院患者、3,833名のデータからこのアルゴリズムを導いたという。バイタルサインと患者基本属性、両疾患の有無のみでトレーニングした多クラス分類モデルは、検証データにおいてもAUC 0.92を示すなど、高精度とともに高い汎化性能を示していた。
研究チームはコードを公開しており、医療従事者による患者トリアージをサポートするための「最前線の診断ツール」として役立つ可能性に言及する。ただし、本研究成果は現時点で査読を経ていないプレプリント論文であることには留意する必要がある。