Geisingerは米ペンシルベニア州およびニュージャージー州において多数の医療機関を提供する、一大ヘルスケアプロバイダーだ。同団体の研究チームはこのほど、心エコービデオのピクセルデータでトレーニングされた深層学習アルゴリズムが、1年間の全死因での死亡率を有意に予測するとの研究成果を公表した。なお、本研究成果は2019年の米国心臓協会(AHA)年次会議で学会公表されたものを発展させ、論文として取りまとめたもの(過去記事)。
8日、Nature Biomedical Engineeringから公表された研究論文によると、チームは34,362名から80万を超える心エコービデオを取得し、畳み込みニューラルネットワークのトレーニングを行ったという。得られたモデルによる死亡予測は、既存の評価指標のほか、心エコー図の特性58項目と100を超える臨床変数から構築された機械学習モデルによる精度も大きく上回っていた。
また、AIモデルの支援を受けたを心臓専門医は、予測の特異性を維持しながら、予測感度を13%と大幅に改善していることも明らかになっている。研究チームは「深層学習によって種々の臨床予測モデルを質的に改善できる可能性」を指摘しており、さらなる研究計画の推進を予定している。
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