神経膠腫(グリオーマ)は神経膠細胞から発生する悪性脳腫瘍で、浸潤性発育を特徴とする。腫瘍細胞が浸み広がるこの浸潤性発育により、グリオーマはしばしば機能的再構成を誘発するが、言語影響の仔細には未知の部分が多かった。中国科学技術大学(USTC)などの研究チームは、病変トポグラフィーデータからの言語マッピングに取り組んでいる。
Brain Imaging and Behaviorから22日公開されたチームの研究論文によると、左脳言語ネットワーク領域のグリオーマ137症例(うち81例は低悪性度、56例は高悪性度)に対し、術前トポグラフィーから機械学習手法による病変言語マッピング分析を行ったという。背側と腹側、両方の言語経路に影響を与える左後部中側頭回に位置する腫瘍では、自発的発話と命名に欠損が確認された。また、低悪性度グリオーマでは有意な結果は認められていないという。
研究チームはこれらの発見について、グリオーマ患者における「脳と行動の関係を調節するマクロ構造の可塑性メカニズム」がグリオーマのグレードに依存することを示唆するとして、研究成果の重要性を強調している。