医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例コロナ禍の医療者を芸術でサポートする研究プログラム

コロナ禍の医療者を芸術でサポートする研究プログラム

パンデミック下の医療スタッフには「PPE(個人用防護具)着用」「ソーシャルディスタンス」「デジタル診療」といった新たな課題が突きつけられた。そこでは医療従事者が孤立感・離別感を感じたり、ニーズに応えられない葛藤も多々見られる。それらコミュニケーション上の課題に対して、芸術のスペシャリストたちによるアイディアやテクニックを駆使した研究プログラムが今、英国で行われている。

ロンドン大学クイーンメアリー校のリリースによると、同大学は芸術ベースのヘルスケア教育と専門家育成を行う団体「Performing Medicine」らと提携し、「COVID下のコミュニケーション:ヘルスケア専門職の非言語コミュニケーションを芸術教育で支援」という18ヶ月の研究プログラムを遂行している。プロジェクトでは世界トップクラスのアーティスト・俳優・振付師・ボイストレーナーらの協力によって、英NHS職員のコミュニケーション上の課題に対応するためのトレーニングとサポート法がデザインされるという。

同プロジェクトの共同研究者Paul Heritage氏は「世界中の人々がパンデミックへの対応で、芸術が果たすべき重要な役割を理解しつつあります」と述べている。かつては不可分であった医学と芸術・人文科学が、双方の見識とアイディアを再び組み合わせようとする意欲的な取り組みは、コロナ禍にどのような成果をもたらすだろうか。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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