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Tempus – 心房細動発症を1年前に予測する心電図分析プラットフォーム

AIによる精密医療の実現を目指す米Tempusは24日、Geisingerと共同開発した心電図分析プラットフォームが、FDAから「Breakthrough Device Designation」(ブレイクスルーデバイス指定)を受けたことを明らかにした。これにより、同システムはFDAによるレビュー・評価が優先的に行われ、重要性の高いシステムとして早期の市場展開が検討されることになる。

Tempusが24日明らかにしたところによると、このシステムは「心房細動の既往がない者の心電図波形から、将来的な心房細動発症を高精度に予測できる」ものだという。一般的な12誘導心電図波形を利用することができ、既存データからも重要疾患スクリーニングを実現するため、臨床インパクトは非常に大きい。先月、Circulationから発表された開発チームの研究論文では、160万に及ぶ心電図波形から学習したこの深層学習アルゴリズムは、心房細動の既往がない者において、今後12ヶ月以内の発症があるかを予測できることを報告している。

心房細動は血栓形成を促すため、脳梗塞をはじめとした塞栓症リスクを高める。心房細動高リスク者を日常臨床から早期に同定できることは、現行の疾患管理を大きく改善する可能性があり、患者予後の劇的な向上が期待されている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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