AIによる化合物推定で製薬研究を効率化

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AIの参入によって、製薬研究は新たな局面を迎えている。従来、新薬の開発は非常に長い年月と多くの労力を必要とするもので、米カリフォルニア生物学研究協会の推定では、新薬として開発が開始される数万の化合物のうち、治験まで至るものは5000に過ぎず、その中でもわずか1/5のみが新薬として承認されるという。製薬研究の重要な段階であるスクリーニング(膨大な量の化合物を評価し、新薬の元になりうる化合物を選択する過程)にAIによるビッグデータ解析を導入することで、従来では非常に長い年月を要していた新薬の開発がより短期間で可能になる。

米証券取引サイトNasdaqによると、AIをはじめとした技術を積極的に利用することで、2017年から2022年の5年間で医薬品の売り上げが9.4%上昇し、858億ドルに達することが予測されている。また、英国の薬学博士エドワード・J・グリフェンらによる論文では、AIの膨大な量のデータに対応できるという特性を研究にうまく取り入れることで、製薬研究が加速すると述べられている。

製薬にAIが利用されている例としては、米国の製薬会社ファイザーがIBMと協力して行っている免疫腫瘍学の研究がある。この研究では、体内の免疫を利用してがんを治療する新薬の開発にAIによる分子標的の同定を導入しており、今後の動向に注目が集まっている。