Googleは、11,200万枚以上の前立腺癌画像を訓練に用いて、70%の確率で前立腺癌を検出できるAIを開発したことを発表した。またこのAIは、Gleasonスコア(前立腺癌細胞の進度を分類するシステム)を使用することで前立腺癌の緊急性を分類し、再発予測についても80%の精度を誇る。米国では9人に1人が前立腺癌を患う状況下にあり、AIを導入するためのさらなる開発が急がれる。
GoogleのAIが、前立腺癌細胞を70%の精度で画像から検出することに成功した。病理学者による検出率が61%であったことに対して、大きく上回る結果となった。米・ITメディアVentureBeatは、このAIが11,200万枚以上の前立腺癌画像から癌細胞を検出する訓練によって開発されたことを報じている。また、このAIには「Gleason Score」が反映されているため、前立腺癌細胞をグレード分けすることができ、再発予測についても80%の確率で的中させたという。「Gleason Score」とは、前立腺癌の進行度を決定するために使用される格付けシステムである。
アメリカ国立がん研究所の発表によると、米国では2018年に約29,000人以上が前立腺癌で亡くなっている。このような状況について、開発者のMartin Stumpe氏とCraig Mermel氏は、「前立腺患者のケアにこのAIを導入することはまだ難しい。しかし米国の前立腺癌をめぐる現状を改善できる可能性を秘めていることは間違いない」とGoogle AI Blogでコメントしている。現在、開発者は精度の向上や医療現場への導入方法について検討を行っているという。