独スタートアップKaia Healthは、AIとモーショントラッキング技術を活用し、長期的に慢性疼痛をコントロールするアプリを開発している。昨年、アメリカ・イギリス・ドイツの3カ国で行なったテストリリースでは、約25万ものダウンロードがあり、大きな注目が集まった。
テックメディアVentureBeatの報道によると、Kaia Healthは、このアプリの有効性を科学的にも検証済みであるという。ミュンヘン工科大学の疼痛治療センターで行われた臨床研究では、このアプリを使用することで、背部痛を平均40%も軽減できたという。Kaia Health創設者のKonstantin Mehl氏は、「このシステムによって治療ステップを改善すれば、医療コストを大幅に削減することができる」とし、医療経済へのインパクトの大きさも強調している。
近年の研究では、米国民の80%が腰痛を自覚したことがあると推算されるなど、慢性疼痛が社会問題化している。一方、治療とリハビリにかかる費用は非常に高額となっている。ネットメディアSilicon Canalsは、Kaia Healthがヨーロッパおよびアメリカでの大規模な資金調達を進めている旨を報じており、AIによる革新的アプローチは医療への大きな挑戦を続けている。