オランダ・ユトレヒト大学を中心とした研究チームは、胸部CT画像から冠動脈の石灰化レベルを自動評価するAIシステムを開発した。冠動脈石灰化は心血管疾患の発症リスクを示すことから、循環器領域における予防的指標として使われている。
米テックメディアVentureBeatの報道によると、畳み込みニューラルネットワークを利用して構築されたこのAIアルゴリズムは、従来の冠動脈石灰化スコアリング手法に対して、数百倍もの高速化と完全自動化を実現している。研究者らは「この新しいシステムにより、CTの種類によらず、頑健で正確な評価を行うことができる」と話す。
世界保健機関(WHO)の報告によると、心血管疾患はあらゆる国において死因の第1位となっており、世界で1800万人もの人々が毎年亡くなっている。ただし、そのほとんどが予防可能であるとされており、定量的なリスク評価による早期の治療介入が欠かせない。冠動脈石灰化を含めた予防的指標は、今後一層その重要性を高め、利用の機会を増やしていくことになるだろう。