子どもの発熱で病院に駆け込んだ際、窓口での最初の対応はAIが行うようになるのかもしれない。中国とアメリカの共同研究グループは、診療録を解析することで種々の小児科疾患を診断するAIシステムを開発した。
Nature Medicine誌に発表された論文では、電子カルテを学習したAIアルゴリズムにより、インフルエンザなどで9割を超える正診率を記録したという。これは小児科医の診断精度をも上回っていたとのこと。豪メディアABCによると、研究グループのDr. Kang Zhangは「重症度の振り分けなど、不足が指摘される医療領域で医師を補助できるほか、診断の難しい複雑な状況においても有効となる」と語ったという。
日本でのインフルエンザ診断と治療が、海外と比較して過剰との指摘は少なくない。各医療機関では年々加熱する社会的要求からの負担感も増している。そういったなか、窓口および問診レベルでの迅速な振り分けにおいて、AIが大きな助けとなる可能性がある。また、入院が必要な重症例の選別、流行の裏に隠されたインフルエンザ以外の疾患の発見、病院内での二次的な感染拡大を予防することなどにも期待が集まっている。