米マウント・シナイ医科大学の研究チームは、アルツハイマー病や慢性外傷性脳症を含む神経変性疾患を識別するAIシステムを開発した。Precise Informatics Platformと名付けられたこのAIシステムでは、脳組織サンプルから複数の神経変性疾患を高精度に識別することができる。
英Verdictの報道によると、研究チームは、畳み込みニューラルネットワークを利用し、脳組織サンプルの顕微画像から神経変性疾患を識別するアルゴリズムを構築したという。チームを率いたJohn Crary教授は「究極的にはこのプロジェクトは、より効率的で正確な神経変性疾患の診断方法確立に結びつくだろう」としている。
神経変性疾患の多くは加齢が大きなリスク因子となっており、世界的な高齢化の進展によって疾患リスクは高まりをみせている。根本治療の存在しない神経変性疾患であっても、早期発見と早期医療介入によって大幅に予後を改善できる。AIを利用した新しい効率的な診断法の確立に大きな注目が集まる。