オーストラリアのResApp Healthは、呼吸器疾患を診断するスマートフォンアプリ開発のスタートアップである。同社はAIを利用した睡眠時無呼吸の診断にも取り組んでいる。閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea: OSA)は多くが未診断で、心臓病・高血圧・脳卒中および2型糖尿病のリスクといわれている。
HIT Consultantで紹介されているResAppのアプリは、ベッドサイドのスマートフォンから呼吸といびきを記録し、機械学習アルゴリズムにより重症度を分類する。睡眠ポリグラフという専門検査は、入院する不便さ・高コスト・複雑さからマススクリーニングには不向きとされる。同社は本アプリの専門検査に劣らない能力をもって、各種承認と普及を目指している。
音声解析とAIの親和性は高く、以前紹介したイスラエルのスタートアップHealthymize(過去記事)も同様の開発を行っている。専門性の高い煩雑な検査診断機器は、個人のスマートフォン・ウェアラブルデバイスのAI機能によって次々に代替されようとしている。Apple社の睡眠分析への本格参入も近いとされ、それらが個別化された遠隔医療の基礎となる世界の潮流はしばらく続くだろう。