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豪スタートアップ ResApp Health社 睡眠時無呼吸を診断するAIアプリを開発

オーストラリアのResApp Healthは、呼吸器疾患を診断するスマートフォンアプリ開発のスタートアップである。同社はAIを利用した睡眠時無呼吸の診断にも取り組んでいる。閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea: OSA)は多くが未診断で、心臓病・高血圧・脳卒中および2型糖尿病のリスクといわれている。

HIT Consultantで紹介されているResAppのアプリは、ベッドサイドのスマートフォンから呼吸といびきを記録し、機械学習アルゴリズムにより重症度を分類する。睡眠ポリグラフという専門検査は、入院する不便さ・高コスト・複雑さからマススクリーニングには不向きとされる。同社は本アプリの専門検査に劣らない能力をもって、各種承認と普及を目指している。

音声解析とAIの親和性は高く、以前紹介したイスラエルのスタートアップHealthymize(過去記事)も同様の開発を行っている。専門性の高い煩雑な検査診断機器は、個人のスマートフォン・ウェアラブルデバイスのAI機能によって次々に代替されようとしている。Apple社の睡眠分析への本格参入も近いとされ、それらが個別化された遠隔医療の基礎となる世界の潮流はしばらく続くだろう。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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