英サリー大学 AI技術で認知症高齢者を守る取り組み

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英サリー大学は英国国民保健サービス(NHS)との協力で、在宅で過ごす認知症高齢者の健康管理にAIを含む先端科学技術を持ち込み、その効果を検証する研究を行った。認知症患者向けの技術統合型ヘルスマネジメント(TIHM)と呼ばれる取り組みの一環として実施され、生活の質改善・入院率の低下・介護者のストレス軽減などを目指している。

サリー大学が公表したところによると、この研究では、認知症高齢者に対して各種モニタリングデバイスやセンサー類を利用することで、環境情報と生体情報を多面的に取得したという。経時的に蓄積されたデータを機械学習アルゴリズムで解析することで、深刻な病態の変化や付随する健康トラブルを早期に捉えることができたとのこと。

高齢化の進展により、認知症への対応は各国喫緊の課題となっている。一方、ほとんどの認知機能低下は有効な治療方法が存在せず、発症予防と進行予防、また適切な管理体制の構築が欠かせない。同研究チームの論文では、尿路感染症の早期発見AIアルゴリズムを公表しており、認知症高齢者の入院を大幅に回避できる可能性にも言及している。

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TOKYO analytica
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1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

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防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。