画像から腕の骨折を識別するAIアルゴリズム

シンガポール国立大学の研究チームは、橈骨と尺骨(前腕の主要な骨)の骨折を高精度に識別するAIアルゴリズムを開発した。研究成果はオンラインジャーナル・Radiology: Artificial Intelligenceにて公表されている。

AI in Healthcareの報道によると、研究チームは、7536の前腕画像データを利用し、90%をアルゴリズムのトレーニングに、10%をアルゴリズムの妥当性評価に用いたとのこと。チームのYee Liang Thian医師は「人間による読影ミスは、経験不足・疲れ・時間不足・画像の乱れなど多数の要因から誘導されてしまう」とし、アルゴリズムによる一貫して安定した解析は、救命科や放射線科の医師にとって大きな助けとなることを指摘する。

救命センターに搬送された外傷患者などでは、スクリーニングとして多くの画像検査を受けるが、経験豊富な医師であっても微小な骨折線などを漏れなく抽出するのは容易ではない。研究チームは、救命科にて別に撮影された524の前腕画像においてもアルゴリズムの検証を行い、91%以上の正確性で骨折の検出に成功したとしている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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