米マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学の研究チームは、機械学習モデルを利用し、外傷に伴う小児の頚椎損傷を高い精度で予測することに成功した。研究成果は学術誌Journal of Pediatric Surgeryにて公開された。
研究チームの論文によると、3歳以下の小児外傷患者データから、Optimal Classification Treesを利用した頚椎損傷予測アルゴリズムを導いたという。得られたアルゴリズムは、既存の臨床指針に比べても高い精度での予測能を示したとのこと。研究チームは「予測アルゴリズムを利用することで、不必要なCT撮影を避けることもできる」とし、放射線被爆による合併症リスク軽減にも役立つとしている。
外傷後、特に十分に言葉を話せない小児においては、隠れた頚椎損傷のリスクがある。必要な固定を行わず頸「髄」損傷にまで至った場合、四肢麻痺や感覚障害、場合によっては呼吸不全の危険性にも曝される。小児の外傷に対する有効なスクリーニング方法として、今後広がりをみせる可能性があるだろう。