米MIT 小児の頚椎損傷をAIで予測

米マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学の研究チームは、機械学習モデルを利用し、外傷に伴う小児の頚椎損傷を高い精度で予測することに成功した。研究成果は学術誌Journal of Pediatric Surgeryにて公開された。

研究チームの論文によると、3歳以下の小児外傷患者データから、Optimal Classification Treesを利用した頚椎損傷予測アルゴリズムを導いたという。得られたアルゴリズムは、既存の臨床指針に比べても高い精度での予測能を示したとのこと。研究チームは「予測アルゴリズムを利用することで、不必要なCT撮影を避けることもできる」とし、放射線被爆による合併症リスク軽減にも役立つとしている。

外傷後、特に十分に言葉を話せない小児においては、隠れた頚椎損傷のリスクがある。必要な固定を行わず頸「髄」損傷にまで至った場合、四肢麻痺や感覚障害、場合によっては呼吸不全の危険性にも曝される。小児の外傷に対する有効なスクリーニング方法として、今後広がりをみせる可能性があるだろう。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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