Autopsy imaging: 死亡時画像診断をご存知であろうか。Ai (iは小文字)は略語で、Artificial IntelligenceのAIと区別される。Aiは死後のCTやMRI撮影で、死亡時の病態や死因を究明する取り組みである。AI技術でAiを発展させる試みを紹介する。
学術誌Autopsy and Case Reportsでは、腫瘍の量が微小でも死亡に至る治療抵抗性のがん症例にVirtual Autopsy (Virtopsy: Aiとほぼ同義)を行い、機械学習で画像解析する手法が提唱されている。従来の解剖で困難な総腫瘍量を定量し、がん悪液質など病態の理解を深め、がん標的治療の発展が期待される。学術誌Brain Informaticsには、神経変性疾患患者の死後の脳MRIに機械学習を応用し、神経病理学との整合性を解析する手法が紹介されている。脳容積減少のモニタリングで神経変性疾患の早期診断を補助し、初期で進行を遅らせ止めるための治療法開発につながるという。
生体画像の読影でも人員不足が指摘される放射線科医が、Aiのすべてを担当するのは現実的ではない。また、死後変化に適切な解釈を加えられる放射線科医は少ないといわれ、Aiの普及にはAIによる支援が解決策となるのかもしれない。