AIが心臓発作リスクを見極める

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英ケンブリッジ大学を中心とした研究チームは、機械学習アルゴリズムを利用し、患者の長期診療記録から心臓発作や脳卒中などの急性期疾患発症リスクを算出しようとする取り組みを行っている。

英国で医学研究助成などを行うBritish Heart Foundationの公表によると、研究チームは、英国内200万人の長期診療記録を利用することで、冠動脈疾患・心不全・不整脈・脳梗塞などの発症リスクを明示する新しいアルゴリズムの開発に取り組んでいるという。研究を率いるAngela Wood氏は「膨大な診療記録を処理し、自身の健康増進に活用できるようになったのはつい最近のことだ」とし、科学技術の飛躍的な向上が背景にあることを指摘する。

英国の臨床現場では「NHS Health Check」と呼ばれる疾患リスクの算出モデルが利用されているが、ある時点でのコレステロール値や血圧値などを利用した「スナップショット」でしかない。患者固有の病歴や服薬歴の変遷、リスク因子の推移までを考慮したモデルは珍しく、より高い精度でのリスク評価が可能になるか、医療者からの期待も高まっている。

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TOKYO analytica
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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。