シンガポールのスタートアップ・Biofourmisは、ウェアラブルデバイスから得られた生体データを収集・解析するAIプラットフォーム「Biovitals」で知られる。今回、同社のシリーズBラウンドとして、3500万ドル(約38.6億円)の資金を調達したことを公表した。
Venture Beatが21日報じたところによると、今回の資金調達によりBiofourmisは、米国・アジアにおける宣伝広告および販売の促進、データサイエンス部門の強化、規制対策などに重点投資を行うという。Biofourmisは2015年創業のヘルス系AIスタートアップで、強力な技術力を背景に急激な成長を遂げた。ウェアラブルデバイスによる生体データと既往歴などの患者情報から、各種健康アウトカムを予測する「デジタルバイオマーカー」の生成を目指している。
ヘルスケアAI開発において大きな障壁となるのが、有効な臨床データを利用できるかどうかだ。アルゴリズムのトレーニングに利用できる匿名化済みデータベースのうち、広く利用可能なものは非常に限られており、質の高い自前のデータセットを用意できることが成長の鍵となる。Biofourmisは米メイヨークリニックとの提携を公表するなど、臨床機関との積極的な連携も示してきた。