ラジオとAIが認知症高齢者を救う

photo by iStock

英国では近年、認知症高齢者の入院が急増しているが、主な原因は定期内服の失敗や情緒の不安定などで、必ずしも重篤な疾患罹患に伴うものではないとされる。ラジオとAIを利用し、認知症高齢者の生活を変容させることで、入院を避け家庭での豊かな生活を取り戻そうとする取り組みを紹介する。

プリマス大学が20日公表したところによると、英国の公的研究助成機関の1つ”The Engineering and Physical Sciences Research Council”による270万ポンドの助成を受け、新しい高齢者対象研究が行われるという。AIによるラジオ放送内容の個別最適化により、認知症高齢者の入院率低減を図ろうとするもので、放送内容は個別の服薬リマインダーや治療関連情報の提供だけでなく、嗜好に応じた音楽放送など多岐に渡るとのこと。

IT技術の向上を背景に、Connected Healthcareと呼ばれる「患者情報の統合による個別化医療の実現」が注目を受けるようになった。一方で、特に高齢者においては先端デバイスの導入が壁になりやすい。本研究では、高齢者により馴染みの深いラジオをメインのプラットフォームとして採用していることに大きな新規性があり、関心が集まっている。

前の記事ブラジルの手話翻訳アプリ Hand Talk – Google AI Impact Challengeから75万ドルの助成
次の記事シンガポールのスタートアップ・Biofourmis デジタルバイオマーカーで3500万ドルを調達
TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。