アメリカ医師会(AMA: American Medical Association)の年次総会が2019年6月8-12日にシカゴで開催された。同会議では、医療AIの臨床応用の責任や、AIを活用する医師のトレーニングと果たすべき役割について、従来よりも踏み込んだ複数の方針が採択された。
HEALTH IT ANALYTICSの報道によると、AMAはひとつの方針として『医療AIで生じた問題は、使用した個人の医師ではなく、AIの開発元が責任を負うのが最適である』と提言した。様々な補償面をAMAがサポートし、AIを活用したい医師が積極的にトレーニングを受けられる体制づくりを目指すという。
欧州をはじめ、他の機関は医療AIの責任の所在について、議論の途上である。その現状の中、AMAはひとつの口火を切った形だ。他にも『流動的な移行期間は、AIを利用しないことでの不利益も罰せられるべきではない』との提言がユニークである。AMAのプレスリリースでは、元会長のGerald E. Harmon氏が「テクノロジーが医師の人間性と創造性を追い越さないようにする必要がある」と述べ、問題の核心に触れている。